テクニカルイラスト(テクニカルイラストレーション)とは
テクニカルイラスト(テクニカルイラストレーション)とは工業製品のカタログや取扱説明書、サービスマニュアル(修理書等)などに使われる主に線画で描かれる立体図です。
製品の部品を分解した構成図(サイズが中~大)、操作や修理の方法を説明する手順図(いわゆるコマ絵、サイズ小)に分かれます。ひと昔前はペンで手描き作成していましたが、現在はアドビイラストレーターやCADソフトなどで作成しています。
テクニカルイラストを描く手法
テクニカルイラストを描く手法としては図面から立体図を起こす方法(難易度高)、
写真をトレースする方法(難易度低)、CADデータから作成する場合(難易度中~低)があります。
用意できる資料によってそれぞれの方法選びます。
図面から作成する場合は基本的にアイソメトリック図法で立体図に起こすことになります。
アイソメトリック図とは立体を斜めから見たイラストで等角投影図のことです。 X,Y,Z 軸がそれぞれ120度間隔で見える角度で立体を投影して描きます。遠近をつけないので主に部品の分解図に用いられます。
写真トレースとは?
写真トレースは主に手順の説明などに適しています。現物を渡して(可能なものなら)依頼するか、写真を撮影して提供します。場合によってはイラストレーターに撮影も頼みます。写真の状態によって描きやすさが変わってしまい、思ったような絵ができなかったり、コストがかかったりするので撮影には気を付ける必要があります。
例:撮った写真のアングルが気に入らず追加資料なしでアングルを変えてイラスト作成を依頼。
テクニカルイラストの動向
最近主流になってきたのはCADデータからイラストを描き出す方法です。CADデータから線画を描き出したり画像キャプチャを撮ってそれをトレースして作成します。CADデータから描き出す場合、線が多すぎて見にくかったりするのでそれを修正するのに思ったより工数がかかったりすることがあるので注意が必要です。
テクニカルイラスト 発注の流れ
原稿の作成
作成方法が決まったら原稿を作ります。テキストだけの指示でイラストレーターに任せるのもありですが、思ったようなものができず修正で余分にかかってしまうので、ラフ絵でいいのでできるだけ具体的な原稿を作ることを推奨します。
イラスト仕様決定
イラストの仕様を決めましょう。
サイズ、線の太さ(強弱で2~3種類、ポイントで)、納品形態(データ形式など)
価格の決定
価格を決めます。テクニカルイラストは基本、工数×単価やサイズで価格を決めます。
小さいコマサイズのイラストで1hくらいです。
納期の決定
納期を決めます。あまりに厳しい納期だと品質が悪くなりコストが上がってしまうので気を付けましょう。
修正の取り決め
イラストの修正に関して事前に取り決めをしておきましょう。イラストレーターのミスか依頼者の指示ミスか、小変更、描きなおしなど起こりうる事態を想定しどこまで最初の価格で対応できるかなど。
機密保持契約について
機密に関する契約は必ずかわしましょう。業者によっては安い労働力を求めて海外の請負業者を使っている場合もあります。特に新製品やCADデータなどを扱う場合は注意が必要です。
以上です。さっそくテクニカルイラストを依頼してみましょう。