前回、「イラストレーターになるには」で色々なイラストレーターの形を紹介しました。
そこでは触れなかったのですが、 工業製品に必要不可欠な取扱説明書やパーツカタログなどに描かれている製品の使い方の手順や部品形状などの立体図イラストはテクニカルイラストと呼ばれ、それらを専門に制作するのがテクニカルイラストレーターです。
テクニカルイラストは主に図法( 投影法)により平面の図面から立体図に起こすものと、写真をトレースしてイラストにするものがあります。
前者は分解図などに使われ技術的にも難易度が高く、後者は取扱説明書などの手順図に使われることが多く、難易度が低めです。
テクニカルイラストには国家検定の 「テクニカルイラストレーション技能士 」がありますが、取得には実務経験も必要なので主に就職後の受検となります。必須の資格というわけではないのでフリーランスになる際の拍付けで持っている人も。
テクニカルイラストレーターになるには、理工系の大学や工業高校、テクニカルイラストを教えてくれる専門学校などから製造メーカーのサービス部門(マニュアル編集)や中小のマニュアル制作会社、テクニカルイラスト制作会社などに就職します。
そこで何年か経験を積み実力と人脈を築いた後、フリーランスになる人も多い業界です。
テクニカルイラストは20年ほど前まではペンでの手描きが主流でしたが、マッキントッシュ(マック)とアドビイラストレーターの出現、マニュアル編集のDTP化で一気にコンピューター化が進みました。
現在は更に製品の3DCADデータから3DCG、立体線画を作成する手法が進み、図面から立体図を作成する技術が廃れつつあります。
今後、テクニカルイラストレーターを目指す人は3DCG、CADの知識も必要になってくるでしょう。
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